1. HOME
  2. locone+記事一覧
  3. 「まずは一回来てみ!」茅ヶ崎らしさが詰まっていた『茅ヶ崎ALOHA』誕生ストーリー(神奈川県)
インタビュー・ストーリー(People / Story)

「まずは一回来てみ!」茅ヶ崎らしさが詰まっていた『茅ヶ崎ALOHA』誕生ストーリー(神奈川県)

道の駅湘南ちがさき

Choice! CHIGASAKI認定品とは

『道の駅 湘南ちがさき』1FのChoice! CHIGASAKIコーナー

『道の駅 湘南ちがさき』1FのChoice! CHIGASAKIコーナー

「Choice! CHIGASAKI」は「再発見、茅ヶ崎。」をコンセプトに、茅ヶ崎らしい魅力やストーリーを持つモノ・コトを認定する茅ヶ崎市のオリジナルブランドです。

「このまちならでは」の価値を持つ商品やサービスを広く発信し、茅ヶ崎の魅力を市内外へ届けることを目的にスタートしました。認定されるのは、品質の高さだけでなく、地域とのつながりや、つくり手の想い、茅ヶ崎らしさを感じられる背景を持つものばかりです。 地元で長く愛され続けてきた逸品はもちろん、新しい発想で茅ヶ崎のライフスタイルや文化を表現した商品まで、多彩なラインアップがそろっています。

茅ヶ崎観光協会の物販コーナー

茅ヶ崎観光協会の物販コーナー

今回紹介する「茅ヶ崎ALOHA」も、その認定品のひとつ。 しかし、茅ヶ崎ALOHAは単なるオリジナルグッズではありません。 その背景には、「茅ヶ崎らしい暮らしを街全体で育てたい」という20年以上続く、挑戦と、どこかほっこりする茅ヶ崎らしいストーリーがありました。

「茅ヶ崎ALOHA」の製造をおこなっている『HOSHIMI PRINT WORKS』の金子星地さんと、『茅ヶ崎市観光協会』事務局長・大八木和也さんにお話を伺いました。

「アロハを売ろう」ではなく、「茅ヶ崎らしい文化をつくろう」

"『HOSHIMI

『HOSHIMI PRINT WORKS』の金子さん

「最初からブランドを作ろうとは思っていなかったんです」

そう振り返るのは、『HOSHIMI PRINT WORKS』の金子星地さん。 今では「茅ヶ崎ALOHA」と聞けば、一つのブランド名として認識する人も多くなりました。しかし、その原点にあったのは、「シャツを売る」という発想ではありませんでした。

時代は2003~2004年ごろ。まだ「クールビズ」という言葉が世の中に浸透する前です。 省エネルギーへの関心が高まり、「夏はエアコンの設定温度を上げよう」「窓を開けて過ごそう」といった取り組みが日本各地で始まりつつあった頃でした。

そんな空気の中で、金子さんたちが考えたのは、「茅ヶ崎らしい夏のスタイルとは何だろう」ということでした。

「スーツを少し軽くするくらいなら、いっそアロハを着た方が茅ヶ崎らしいじゃないか」

その自由な発想が、すべての始まりだったといいます。きっかけになったのは、サザンオールスターズのライブ運営に携わった後のこと。 大きなイベントを終え、「次は街として何を仕掛けようか」と仲間たちと話し合う中で、自然と浮かび上がってきたのがアロハシャツでした。ただ、そこで「オリジナルのアロハを作って売ろう」とはなりませんでした。

まずおこなったことは、本場を知ること。 ハワイへ足を運び、アロハシャツがどのように人々の暮らしに溶け込んでいるのか、自分たちの目で見て、実際に着て過ごして確かめることから始めました。 そこで目にした光景は、日本で一般的だった「観光地のお土産」というイメージを大きく覆すものでした。

「アロハには、観光アロハ、ビジネスアロハ、ファッションアロハという文化があったんです」

なかでも印象的だったのが、ビジネスアロハ。 現地では、アロハシャツをきちんとパンツインし、スラックスに革靴を合わせたビジネスマンが、ごく当たり前のように働いていました。リゾートウェアではなく、仕事着として街に溶け込んでいる。

その姿は肩の力が抜けているのに、どこか凛としていて、とても格好良く映ったといいます。

「これなら茅ヶ崎でもできる!」

海があり、サーフカルチャーが根付き、肩肘張らない空気が流れる街だからこそ、このスタイルは自然に馴染むのではないか。そんな確信が生まれました。 さらに当時、茅ヶ崎市内には縫製工場もあり、ものづくりの土壌も整っていました。一枚のシャツを作るだけではなく、街全体でムーブメントを創り、育てていける文化にできる。

そう考えたことから、「茅ヶ崎ALOHA」という取組がスタートします。

目指したのは、観光客がお土産として買って帰るアロハではありません。市役所へ行くときも、会社へ向かうときも、休日に海を散歩するときも、同じ一枚を自然に着られること。 オンでもオフでも境目なく着られる、茅ヶ崎の日常着です。 だからこそ、20年以上経った今でも「茅ヶ崎ALOHA」は毎年デザインを変えながら続いています。ブランドを大きくすることよりも、この街らしい暮らしを少しずつ育てていくこと。その積み重ねが、今では市役所やバスの運転手、そして街を歩く人々のアロハ姿という、茅ヶ崎ならではの風景をつくり上げているのです。

市役所にも、バスにも。街の日常になった「茅ヶ崎ALOHA」

"「ALOHA」モニュメント

「ALOHA」モニュメント

夏の茅ヶ崎を歩いていると、アロハシャツ姿の人によく出会います。

市役所の職員、観光協会のスタッフ、路線バスの運転手さん。飲食店や商店でも、さりげなくアロハを着こなす人の姿は珍しくありません。 初めて訪れた人は、「イベントでもあるの?」と思うかもしれません。

けれど、それは特別な日だからではなく、この街ではごく当たり前の夏の風景です。 もちろん、最初からそうだったわけではありません。 茅ヶ崎ALOHAが始まった当初、アロハを着る期間は「7月から8月まで」という、ごく一般的な"夏"のイメージでした。ところが、ある会議で金子さんが何気なく口にした一言が、思わぬ展開を生みます。

「茅ヶ崎の夏って、5月から10月くらいじゃないですか?」

冗談半分のつもりだったそうですが、その言葉に周囲が「確かに」とうなずきます。海へ向かう人が増え、半袖で過ごせる日が長く続く茅ヶ崎では、その感覚の方がしっくりくる。 こうして"茅ヶ崎の夏"は自然と長くなり、アロハを着る期間も広がっていきました。

そして2025年からは、市役所でも年間を通してアロハシャツでの勤務が認められ、さらに今年からはTシャツ勤務も可能に。 働き方にも、「その土地らしさ」が取り入れられるようになりました。

制度が先にあったのではありません。「茅ヶ崎らしいから」という空気が少しずつ街に広がり、それに制度が追いついてきた、そんな表現の方が、茅ヶ崎には似合うのかもしれません。 金子さんは、「アロハをたくさん売りたい」というより、「アロハを着ることが普通になればいい」と話します。

今では子どもからお年寄りまで、年齢も職業も関係なく、アロハを着る人の姿が街に溶け込んでいます。

「外から来た人は、アロハ率の高さに驚くんですよ」

「隣の平塚ではあまり見られない光景ですから、『ああ、茅ヶ崎に来たな』って感じてもらえるんです」

その土地らしさは、案外こうした何気ない日常の風景に宿るものなのかもしれません。 アロハシャツは、茅ヶ崎の"制服"ではありません。この街が長い時間をかけて育ててきた、ゆったりとした空気や、人と人との距離感、そして「肩の力を抜いて過ごそう」という価値観を映し出す、風景なのです。

毎年変わるデザイン。その年の"茅ヶ崎"を一枚に込める

"2026年の「ALOHA」柄を説明してくれる金子さんと大八木さん

2026年の「ALOHA」柄を説明してくれる金子さんと大八木さん

茅ヶ崎ALOHAには、完成形のデザインはありません。

なぜなら、毎年少しずつ柄を変え、その時々の茅ヶ崎らしさを映し出しているからです。 もちろん、茅ヶ崎を象徴する烏帽子岩やサザンCは人気のモチーフです。しかし、それだけを描けば「茅ヶ崎らしい一枚」になるわけではないと金子さんは話します。

「最初は、市の鳥のシジュウカラ、市の木のアカシア、市の花のツツジ、それに烏帽子岩。この4つを入れたデザインを考えたんです。でも、それだけじゃないよね、と」

話し合いを重ねる中で、特産品や音楽、街に流れる空気感など、「茅ヶ崎らしさ」を表す要素は少しずつ増えていきました。 茅ヶ崎は、海だけの街ではありません。サーフカルチャーがあり、音楽があり、個性的なショップが点在し、それぞれが思い思いのライフスタイルを楽しんでいる。

そんな街の魅力を、一枚の生地の上でどう表現するか。毎年のデザインづくりは、まるで茅ヶ崎という街を描き直すような作業でもあります。 だからこそ、「今年はどんな柄なんだろう」と楽しみにしているファンも少なくありません。

"茅ヶ崎ALOHAは観光協会で販売しています

茅ヶ崎ALOHAは観光協会で販売しています

今年のデザインは、やわらかな印象のブロックパターン。色合いも、これまでより淡いトーンを採用しました。

実は、デザインだけでなく、生地も見直しています。 近年の厳しい暑さを受け、「もっと快適に着られる素材はないだろうか」と試行錯誤を重ね、今年はさらりとしたポリエステル素材を採用。速乾性が高く、ノンアイロンでも着られる扱いやすさに加え、「昇華転写」という技法によって、ポケット部分まで柄が美しくつながる仕上がりになっています。 見た目の美しさだけでなく、実際に日常で着続けてもらうための工夫が詰まっています。

「誰向けというのは決めていないんです」

若い人も、お年寄りも。男性も女性も。地元の人も、茅ヶ崎を訪れた人も。 誰か特定のターゲットに合わせるのではなく、「この街が好き」という気持ちを持つ人なら、誰でも自然に袖を通せる一枚でありたい。その考え方は、茅ヶ崎ALOHAがブランドではなく"街の文化"として育ってきた理由でもあります。毎年デザインを変えるのは、流行を追いかけるためではありません。

"毎年デザインが変わる茅ヶ崎ALOHA

毎年デザインが変わる茅ヶ崎ALOHA

変わり続ける街や気候、人々の暮らしに寄り添いながら、それでも変わらない「茅ヶ崎らしさ」を一枚のアロハシャツに映し続けるためなのです。

茅ヶ崎へ来る理由は、「何かを見る」ではなく「時間を過ごす」こと

"茅ヶ崎の自然体な魅力を語る金子さんと大八木さん/

茅ヶ崎の自然体な魅力を語る金子さんと大八木さん

「茅ヶ崎って、観光地なのかと言われると難しいんですよね」

全国には、「この景色を見に行く」「この名所を巡る」という目的地型の観光地が数多くあります。一方で茅ヶ崎は、少し違います。 もちろん、サザンビーチや烏帽子岩といった人気スポットはありますが、それだけを見て帰ってしまうのは、少しもったいない。

この街の魅力は、名所ではなく、その間に流れている時間にあるからです。朝、海沿いを散歩していると、サーフボードを抱えた人とすれ違う。街へ入ると、ウェットスーツ姿のまま自転車を走らせる人がいる。お気に入りのカフェでゆっくりコーヒーを飲み、気づけば夕方。

「じゃあ一杯飲んでいこうか」

そんな気持ちになる頃には、地元の居酒屋はすでににぎわい始めています。

「この前も友人と16時から飲んでいたんですが、その時間で満席だったんですよ(笑)。茅ヶ崎では、それが普通なんです」

肩肘張らず、思い思いの時間を楽しむ人たち。ひとりで入ったはずのお店で、隣に座った人と自然に話が弾み、そのまま一緒に乾杯している。そんな光景も、この街では珍しくありません。

「ソロで来ても、気づけばみんなで盛り上がっている。そういう空気がありますね」

海が近いからでしょうか。それとも、サーフカルチャーや音楽文化が根付く街だからでしょうか。 理由はひとつではありませんが、共通しているのは、この街には人との距離を少しだけ近づけてくれる、不思議な空気が流れていることです。 だからこそ、大八木さんは「観光客」という言葉に少し違和感があると言います。 茅ヶ崎を訪れる人は、何かを"見る"ためというよりも、この街のライフスタイルを感じに来る人が多い。海を眺め、のんびり歩き、おいしいものを食べ、地元の人と話し、その空気ごと持ち帰っていく。

そんな過ごし方が、茅ヶ崎にぴったりだと言います。 これまで都心から近いこともあり、「日帰りの街」という印象が強かった茅ヶ崎ですが、近年は宿泊施設も少しずつ増えています。

だからこそ、あと数時間だけ滞在を延ばしてみるのもおすすめだといいます。 夕暮れの海を眺めてから居酒屋へ向かう。地元の人に「おすすめのお店ありますか」と聞いてみる。翌朝は早起きして海沿いを歩いてみる。 そんな何気ない時間の積み重ねが、「茅ヶ崎っていい街だったな」という記憶になっていくのです。そして、その旅の入り口として期待されているのが、『道の駅 湘南ちがさき』です。

観光スポットを巡るための案内所ではなく、訪れた方々が、「どんな茅ヶ崎を過ごそうか」と思いを巡らせるきっかけになる場所。 茅ヶ崎ALOHAもまた、そんな時間の過ごし方を象徴するシャツなのかもしれません。

「何が楽しいですよ、と説明しなくてもいいんです」

最後に金子さんは、笑顔でこう話してくれました。

「まずは一回来てみ。来れば、自分なりの楽しみ方がきっと見つかりますから」

「目的地」ではなく、「過ごした時間」が思い出になるような、そんな楽しみ方はいかがでしょうか。

「茅ヶ崎タイム」が、これからも続いていくように

"うちわのデザインも毎年変わります/

うちわのデザインも毎年変わります

「茅ヶ崎ALOHAを、全国的な有名ブランドにしたいという気持ちは、実はあまりないんです」

もちろん、多くの人に知ってもらうことは嬉しい。けれど、それ以上に大切にしていることがあります。それは、茅ヶ崎の街の中で、アロハを着ることが特別なことではなく、「当たり前の風景」になること。

観光客向けの商品として一時的に注目されるのではなく、何年経っても、子どもから大人まで自然に袖を通す。そんな存在であり続けることです。 そこには、茅ヶ崎独特の時間の流れがあります。

ハワイに「ハワイアンタイム」という言葉があるように、茅ヶ崎にも「茅ヶ崎タイム」と呼びたくなるような空気があるといいます。 急がない。でも、止まっているわけではない。 ゆったりしているけれど、街は少しずつ変化し、未来へ向かって進んでいる。

海の近くで暮らす人たちが、自分たちの心地よいペースを大切にしながら、新しい挑戦も続けていく。その絶妙なバランスこそが、茅ヶ崎らしさかもしれません。 そして、その文化を次の世代へつないでいくために、茅ヶ崎市観光協会ではアロハシャツ以外にも、街の魅力を伝えるさまざまな商品づくりに取り組んでいます。

毎年デザインを変えながらファンを増やしている「サザンビーチTシャツ」。 夏の風物詩として親しまれる竹うちわ。 そして、茅ヶ崎らしいお土産として開発された塩サイダーグミ。 どの商品にも共通しているのは、「ただ売れるものを作る」のではなく、「茅ヶ崎で過ごした時間を思い出せるものを届けたい」という想いです。

"アロハシャツデザインのパッケージ

アロハシャツデザインのパッケージ

「アロハのパッケージを活かしながら、これから食品なども含めて、茅ヶ崎らしいお土産を増やしていきたいですね」

一枚のアロハシャツから始まった取り組みは、いつしか街のイメージそのものになりました。 海があり、音楽があり、おいしい食べ物がある。 そして、初めて訪れた人でも自然に受け入れてくれる人の温かさがある。 そんな茅ヶ崎の魅力を、商品やサービスを通して少しずつ伝えていく。

それは、新しい名物を作るというよりも、もともとこの街にあった価値を見つけ、磨き、未来へ残していく作業なのかもしれません。

最後に、お二人から茅ヶ崎を訪れる人へのメッセージをいただきました。

「まずは一回来てみ!」

短い一言ですが、その中には茅ヶ崎という街の楽しみ方が凝縮されています。

何を見るか、どこへ行くかを決めすぎなくてもいい。 海を歩いて、街を巡って、人と話して。 その中で、自分だけの茅ヶ崎時間を見つけてほしい。 茅ヶ崎ALOHAの一枚には、そんな街の空気そのものが、今も静かに織り込まれています。

アクセス

"東横INN

一般社団法人茅ヶ崎市観光協会
📍所在地:〒253-0041 神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎1丁目2−53 東横INN湘南茅ヶ崎駅北口
URL:https://www.chigasaki-kankou.org/join/about/

茅ヶ崎の自然体な魅力を語る金子さんと大八木さん

茅ヶ崎ALOHAは、茅ヶ崎市観光協会で購入できるほか、オンラインショップでも取り扱っています(※サイズによっては売り切れの場合があります)。

また、『道の駅 湘南ちがさき』では茅ヶ崎ALOHA展示のほか、観光協会オリジナルの竹うちわや塩サイダーグミなど、一部商品の販売も行われています。

茅ヶ崎を訪れた際は、海辺を散策するだけでなく、ぜひ観光協会にも立ち寄ってみてください。街の魅力を知るきっかけが、きっと見つかるはずです。

記事内容の近くにある道の駅
掲載記事への問い合わせ
当該掲載記事は、株式会社ファーマーズ・フォレストが自社による取材、またはPR媒体で配信された情報をもとに、各媒体の利用規約に則って制作・掲載したものです。掲載内容については、正確な情報の提供に努めておりますが、お気づきの誤りや修正のご要望などがございましたら、以下のフォームよりご連絡ください。
※店舗・施設の営業状況やサービス内容などの最新情報につきましては、お手数ですが各施設へ直接ご確認くださいますようお願いいたします。