宇陀市が誇る「薬草文化」を、現代の暮らし
奈良県宇陀市は、古くから「薬草の里」として知られてきた土地だ。
『日本書紀』には、推古天皇が自ら薬草を採集した「薬狩り」の記録が残り、現在に至るまで薬草文化が脈々と受け継がれている。
その宇陀で、地域の薬草、とりわけ大和当帰(やまととうき)を軸に商品づくりを行っているのが「ウェルネスフーズUDA」だ。
ふるさと納税の返礼品としても注目を集める同社の取り組みについて、代表の山口武氏に話を聞いた。
事業の原点は「知ってもらうこと」から始まった
ウェルネスフーズUDA:山口氏
「ウェルネスフーズUDA」の事業は、奈良県が推進していた「漢方メッカプロジェクト」をきっかけにスタートした。
宇陀市が薬草協議会を立ち上げ、山口氏はその初代会長に任命されたことが転機となったという。
「大和当帰は、昔から非常に効能のある薬草なのに、一般の消費者にはほとんど知られていなかったんです。
“つくってください”だけでは広まらないので、加工し、体感してもらってこそ認知されると思いました」
お茶や入浴剤など、日常生活に取り入れやすい形で商品化を進めた結果、ふるさと納税の返礼品としても展開されるようになったという。
大和当帰とは? 女性の身体に寄り添ってきた薬草
「当帰かな?」という会話のやりとりで商品名となった入浴剤「とうきかな」
大和当帰は、冷え性の改善や血行促進に効果があるとされ、古くから「女性の薬」として使われてきた歴史がある。
実際にお茶として飲むと、短時間で体が温まることが分かるほどにその即効性を感じる人も多い。
「産前産後の女性に使われていた歴史もあります。飲んだり、湯につかったりして、“あ、違うな”と実感してもらえる薬草です」
宇陀市はロート製薬やツムラ、アステラス製薬など日本を代表する製薬メーカーの源流にも関わる土地。
医薬と深い縁を持つ地域性も、ブランドの大きな背景となっている。
商品づくりで大切にしているのは「実感できること」

宇陀の薬草を積極的に取り入れた商品
「ウェルネスフーズUDA」の商品づくりの軸は一貫している。それは、“使って実感できること”。
冷えが改善した、湯冷めしにくくなった、肌トラブルが和らいだ――
返礼品を通じて、そうした声が寄せられているという。
「天然だから万能というわけではないんです。でも、昔の人は自分の免疫力を高めて病を治してきました。その知恵を、今の暮らしに合う形で届けたい」
大和当帰だけでなく、ドクダミやヨモギ、セイタカアワダチソウなど、かつて身近に使われていた薬草も積極的に商品化している。
なぜ宇陀なのか|薬草栽培に最適な土地
薬草保存倉庫
宇陀は、薬草栽培に理想的な自然条件を備えている。
傾斜地で水はけがよく、かつ保水力のある土壌。朝夕の日照が強すぎない環境。
「多年草が多い漢方薬は、水が溜まる土地では育たないんです。宇陀は、自然に逆らわずにつくれる最適な場所なんです」
無理に他地域で栽培するのではなく、「この土地に合った作物を、この土地で育てる」。
それが品質の高さと持続性につながっている。
ふるさと納税返礼品に込めた想い
返礼品の出荷準備の様子
返礼品を通じて伝えたいのは、商品の魅力だけではない。
「宇陀市という土地そのもの」を知ってもらうことだ。
「薬草発祥の地であること、環境の価値、歴史の積み重ね。それを全国の方に知ってもらえるのが、ふるさと納税の良さだと思っています」
実際に返礼品をきっかけに宇陀を訪れる人も増え、
地域内でも大和当帰を使った食品や化粧品の開発が広がりつつある。
これからの挑戦|宇陀ブランドを、世界へ
海外にも宇陀の良さを知ってもらいたいと語る山口氏
今後の目標は、宇陀ブランドとしての大和当帰を海外へ届けること。
また、消費者ニーズを捉えながら、新たな薬草商品の開発も続けていくという。
「売りたいものより、求められているものをつくる。そのアンテナは、これからも張り続けていきたいですね」
おわりに|薬草文化を、未来へつなぐ
「いいもの宇陀なら」のふるさと納税返礼品
古代の「薬狩り」から続く宇陀の薬草文化。
「ウェルネスフーズUDA」の取り組みは、その歴史を現代の暮らしへと橋渡しする挑戦でもある。
ふるさと納税の返礼品を通して、“からだで実感する宇陀”を体験してみてはいかがだろうか。